テックリードになる前後にやっていたこと
主業務で関わっているプロダクトにおいて、2018年中頃あたりからフロントエンドのテックリードを担当していました。今はチームマネジメントに重きを置きつつ、次のテックリードにバトン渡しをしている段階です。
テックリードになる前後でどんなことを考えていたのか、どんなことをしていたのかをふと振り返ってみたのでメモを残します。
環境・前提条件
- プロダクトについて
- 5年以上続いているプロダクト
- フロントエンドエンジニアが触るリポジトリが4つ
- bundleされるjsが複数あり、フレームワークや設計が全部違う
- Vue・React・内製フレームワークを利用
- プロジェクトについて
- プロジェクトメンバー増加中(40〜50人)
- 伴って、調整ごとが多い(仕様、スコープ、スケジュール等)
- 伴って、開発フロー等の見直しが必要な状況
- プランニング→デザイン→サーバ開発→フロント開発→QA→リリース
というウォーターフォール風の開発フロー
- フロントエンドのチームについて
- フロントエンドとバックエンドは分業制
- フロントエンドチームは4〜6人(増減期だった)
- 私について
- 当時、社歴1年半くらい
- 当時、プロダクト歴はチームで2番目くらいの長さになった
- プロダクトのフロントエンドのソースはだいたい触った
テックリードになる前に考えていたこと
- プロダクト歴が長くなってきたので、一番詳しい人でいよう
- 自分は集中力がなく長時間開発に専念できないので、みんなに代わって会議に出よう
- 自分のスケジュールは当然自分で調整する、ついでにチームメンバーのスケジュールも(必要なら)調整しよう
- メンバーが増えてきたのでメンテしやすい設計を守っていこう
テックリードになる前にやっていたこと
- コードレビューをチームに導入する
- 全部のPRに対してコードレビューをする
- 全部の会議に出る
- プロダクトに関わる他の職種の人といっぱい雑談してつながりを増やす
- CIのメンテやタスクの管理などの開発以外の業務を積極的に担当する
- その他雑用を巻き取る
- チームの稼働率や案件進捗を可視化する
ここまでのまとめ
思い返してみると、当時はテックリードという名前や役割についてあまり理解していなかったです。エンジニアとして開発業務をする傍ら、ミーティングに出たりスケジュールやスコープの調整をしたりとコミュニケーション業務や雑務をしていた感じです。
この期間をしばらく経てテックリードという言葉を知り、自分の次のステップだと意識したことを覚えています。マネージャーとの1on1でテックリード目指す旨を伝え、社内では「Development Leader」という呼び名であることを教えてもらいました。
テックリードを意識したあとも業務内容はあまり変わらなかったのですが、
- コードの品質
- チームの生産性
- アーキテクチャ・設計
を守ることについて殊更意識するようになりました。同時に、「チームの状態」をマネージャーやステークホルダーに見せることも自分の仕事と認識するようになり、状況共有や可視化をし始めた記憶があります。
あと忘れてはならないことは、好き勝手やっていた自分をチームメンバーが受け入れてくれたことです。誰かが何かを提案したときに「とりあえずやってみよう」と言ってくれるチームメンバーには感謝が尽きません。
テックリードになってからやったこと
テックリードのような役割を明確に任されるようになった後は、それまで以上にチームの技術力を底上げすることを意識しました。
- コードレビュー会を開催してみんなの視点・観点を共有し合う
- 大きな案件やチャレンジングな案件をメンバーに任せる
- 任せた案件のサポート・相談役を担う
- チームを割り込み作業から守る
当時はチームメンバーがいかに快適に開発できるか、開発に専念できるか、ばかり考えていたと思います。大きな開発案件を担当することが減ったので手持ち無沙汰に感じる場面もありましたが、その時間を使って開発フローや環境の改善に取り組めたりしたので、けっこう充実していました。
ただ、それまで以上にコミュニケーションハブとしての責任が大きくなり、その方法で悩んだり反省したりといったことも多かった時期でもありました。
テックリードになっても考えなかったこと(おまけ)
- チームメンバーのキャリアなどのマネジメント
- プロダクトの売上
この頃は「いちエンジニアとしてやれることならやる」というスタンスで、マネジメント業務には抵抗感を持っていました(マネジメント業務が何かもわかっていませんでしたが…)。また、チームのアウトプット量を増やすことは意識していたものの、それがどれほど売上にインパクトを与えるかまでは考えていませんでした。
これらを考えなかったことの善し悪しは別として、「これはやりたくない・興味がない」と勝手に線引して視野を狭めていたことは反省点のひとつです。
おわりに
まとめると、テックリードになる前後でやってたことは大幅には変わりませんでしたが、意識していたことは徐々に移り変わっていた、という感じでした。そのうちマネジメントになる前後のことも棚卸ししてみたいと思います。